北海道では、かつては葬儀を町内会が取り仕切るところもありましたが、現在は式場にお願いするケースが多いようです。珍しい習慣といえば、通夜終了後に祭壇の前で遺族、親族が写真撮影するところがある事です。撮った写真を現像し、後日渡します。
これは、広い土地柄、親戚が集まるのが難しいので、集まった機会に写真をとることから来ているようです。北海道の中でも、火葬の順番が違います。これも、雪深く、人が集まりずらいことから、順番がまちまちである理由の一つです。
ですので、参列する際は、火葬の順番を確認する必要があります。香典返しは、お茶や海苔を香典返しとして使用することが多いです。予算は千円から千五百円程度が一般的です。半額返しから考えると少々少なめの予算になっています。
後日香典返しとして渡す場合と即日渡す場合と、これも地域により違いがあります。
北海道の葬儀では、一般的に告別式より通夜に参列する場合が多くなっています。もちろん故人との親交の深さによって両方参列しますが、直接面識がなかった場合などは通夜の方に参列します。会場は自宅よりも専門の式場で行われることが多く、喪主の他に葬儀委員長を立てて執り行います。
委員長には町内会長がつくことが多く、町内でお手伝いを頼むこともありますが、最近では業者に全ておまかせすることも増えています。また本州の方が驚かれることに、香典に領収書が出ることです。これは希望者だけに発行されますが、受付に香典を差し出すとすぐその場で中身の金額の確認がされますので、香典袋には必ず住所と名前と裏に金額を記入しておきます。
香典と交換に会葬お礼の品が渡されますが、のりやお茶などの簡素なものが一般的です。この他には香典返しはしなくてよいことになっています。また葬儀終了後祭壇の前で親族が記念撮影をしますが、最近は少なくなっています。
開拓農民が開いた土地柄か、伝統やしきたりにあまりこだわらない、おおらかな気質がこんなところにも表れているのかもしれません。